こんばんは、Sです。

今週末、アメリカでは5/29(月)がメモリアルデイという祝日で、3連休を迎えています。うちの従業員の多くは実家に帰省したり、家族でどっか出かけているようです。Sは人が休みの時こそ仕事をすすめるチャンスだと思っているので、諸々溜まっていた仕事や読書に時間を充てるつもりです。

さてさて、先日、Facebookの創業者でもあり、現CEOのマーク・ザッカーバーグ氏が母校のハーバード大学の卒業式でスピーチを行いました。

Mom, I always told you I'd come back and get my degree.

Mark Zuckerbergさん(@zuck)がシェアした投稿 -



その時の内容が歴史に残るくらい素晴らしい内容だったので、ご紹介したいと思います。"英語原文ママ"、「日本語訳」という構成になっています。また、スピーチの映像、全文(英語)は以下のリンクをご参照ください。
【スピーチ映像】
https://www.youtube.com/watch?v=BmYv8XGl-YU
【全文(英語)】
https://www.facebook.com/notes/mark-zuckerberg/harvard-commencement-2017/10154853758606634/

"President Faust, Board of Overseers, faculty, alumni, friends, proud parents, members of the ad board, and graduates of the greatest university in the world, I'm honored to be with you today because, let's face it, you accomplished something I never could. If I get through this speech, it'll be the first time I actually finish something at Harvard. Class of 2017, congratulations!"
「ご列席の皆様、そして卒業生のみんな、僕はあなた方をとても誇りに思うよ、なぜなら今ここにいる卒業生は、僕自身が成し遂げられなかったことをやり遂げたからね。もしこのスピーチをやりきることができれば、僕は初めてハーバートで何かやりきったことになるね笑。2017年の卒業生、本当におめでとう!」

自身が、ハーバード大学を中退したことを冗談っぽく話し、アイスブレークしていて、つかみはバッチリ、さすがです。というか、立ち振舞い、話し方、どれを見てもスキがない感じです笑。

"I'm an unlikely speaker, not just because I dropped out, but because we're technically in the same generation."
「僕は何か普通のスピーチを話に来たわけではありません、それは僕が中退したからとかではなく、だって僕らは実際そんなに年も違わない同世代だからね。」

ここで同世代という共通項を作り、聞き手と同じ目線で話を進める土台を作りました。これまた、さすが。また、大学での思い出話を語りながら、その中でも一番の思い出は" my best memory from Harvard was meeting Priscilla."と、奥さんとの出会いが一番であったことを明かしています。ここから、話はスピーチの本題に入っていきます。

"Today I want to talk about purpose. But I'm not here to give you the standard commencement about finding your purpose. We're millennials. We'll try to do that instinctively. Instead, I'm here to tell you finding your purpose isn't enough. The challenge for our generation is creating a world where everyone has a sense of purpose."
「今から、(人生の)意義について、話をしたいと思います。と言っても、僕は君たちの人生の目的を見つけるための何かありきたりな杓子定規な話をしようというわけではありません。だって僕らはミレニアル世代でしょ。そんなことは本能的にやってるよね。その代わりに、自分たちの人生の目的を見つけるだけでは不十分だ、と言うことを君たちに話したいと思います。僕らミレニアル世代にとってのチャレンジは、全ての人が人生の意義や大義を見つけられる世界を創り出すことにあります。」

ミレニアル世代はボランティアなどの社会貢献に熱心な世代と言われていますが、ザッカーバーグ氏は自分自身だけでなく、周りを巻き込んでより良い世界を創り上げていくことが難しいと語っています。色々と揶揄されることも多いミレニアル世代ですが、純粋により良い世界、平和な世界にしていきたいと思う人が多くて、Sは素直で真面目なミレニアル世代には好感を持っています。(自分自身がミレニアル世代かどうかは議論の余地あり笑。)

"One of my favorite stories is when John F Kennedy visited the NASA space center, he saw a janitor carrying a broom and he walked over and asked what he was doing. The janitor responded: "Mr. President, I'm helping put a man on the moon". Purpose is that sense that we are part of something bigger than ourselves, that we are needed, that we have something better ahead to work for. Purpose is what creates true happiness."
「僕の好きな逸話の一つに、ジョン・F・ケネディ大統領がNASAの宇宙センターを訪れた時のエピソードがあるから、紹介するよ。ある日、大統領は宇宙センターでほうきを持った清掃員を見て、彼が何をしているのかと聞いたんだ。すると清掃員は、『大統領、私は人類が月に行くための手伝いをしています。』と答えたんだ。(人生の)意義とはまさにその清掃員の方が持っていたそういう感覚のことで、何か自分より大きなものの一部となり、必要とされ、そこでより良い仕事をする、という(自然と湧き出る)感覚のことなんだ。そして、その意義があることで、人々は本当の幸せを手にできる。」

自分がやっていることが、社会のこういうことに役立っているんだ、という自負を得られれば、自然とやりがいや達成感も出てくるものですね。同じことに取り組んでも、物事の見え方は全然違ってくるということがよく分かる一例だと思います。

"You're graduating at a time when this is especially important. When our parents graduated, purpose reliably came from your job, your church, your community. But today, technology and automation are eliminating many jobs. Membership in communities is declining. Many people feel disconnected and depressed, and are trying to fill a void.
「君たちはこの人生の意義というものがとても重要なタイミングで卒業を迎える。僕らの両親が大学を卒業した時、人生の意義は仕事や教会、所属するコミュニティから自然と得られるものだった。ところが今では、技術や自動化が進み、多くの仕事は奪われた。奪われずに残る仕事をするコミュニティへの参加するための門戸はあまり開かれていない。多くの人々は世界から隔離されたような感覚を抱き、落ち込み、その虚無感を何とか埋めようともがいている。」

今後、世界は勉強できる人、技術に詳しい人、仕事ができる人により多くの仕事が集中し、仕事に就きたくても就けない人が増えていくはずです。(日本のフリーターやニートのように、仕事を選んだ結果、働かないというわけではなく、望んでも働けないという状況)では、その仕事に就けない(大多数の)人々の人生はどうなってしまうのか、が問題であり、これはベーシックインカムなどの社会制度で対応していくといった案が検討されていますね。

"To keep our society moving forward, we have a generational challenge: to not only create new jobs, but create a renewed sense of purpose."
「社会を成長させ続けるため、我々は今困難に直面している。それは新しい仕事を作るということだけではなく、人々にとっての何か新しい人生の意義を作る、ということだ。」

これは、仕事に就けない多くの人々にとっての人生の意義を見出すこと(ないしは、自分で人生の意義を見つけること)ができる社会を創り出すことであり、非常に難しい問題です。なぜ生きるのか、なぜ働くのかという多分に哲学的な領域でもあり、昔はそういったことは学者や物好きが考えていれば良かったですが、今はそれを一人一人が見つけていかなければいけません。そもそも人生の意義がないと人類はどうなるか、という状況に社会は直面したこともなく、答えがない世界を今後人々は生きていかなければならないということを強く感じさせます。ハーバードにいるような人の多くは、自分たち自身で人生の意義を見つけ、日々生きているはずですが、ザッカーバーグ氏曰く、"it's not enough to have purpose yourself. You have to create a sense of purpose for others."、「自分自身の人生の意義を見つけるだけでは(僕達ハーバードの卒業生には)不十分で、君たちは他人にとっての人生の意義を作り出してあげなければならない。」と述べています。これはミレニアル世代の社会貢献したいという気持ちの現れにも見えますが、本当に難しいのは、その気持ちや行動が、ザッカーバーグ氏が語る”"others"と呼ばれる人々に好意的に受け取られるかどうかが、その人達次第というところにあります。人生の意義、そんなの知らねーよ、という人もいてしかるべきだし、社会とは常々そういうものですから。

また、ザッカーバーグ氏は自身の経営観についても言及しています。

"my hope was never to build a company, but to make an impact.""A couple years in, some big companies wanted to buy us. I didn't want to sell. I wanted to see if we could connect more people.""Nearly everyone else wanted to sell. Without a sense of higher purpose, this was the startup dream come true."
「今まで一度も、会社を作りたいと思ったことはなく、ただただインパクトを作りたかったんだ。」「何年か前、大きな会社がFacebookの買収を打診しに来た。僕は会社を売り渡したくはなかった。Facebookでもっと多くの人々を繋げられるか、見てみたかったんだ。」「ほとんどのスタートアップ創業者は、そんな状況になれば会社を売りたいと考えたはずだ。だって、崇高な事業の意義を除けば、買収されることはスタートアップ企業の夢が叶ったと言える瞬間だからね。」

金儲けをしたかったわけではなく、社会にインパクトを生み出すことにフォーカスしてきたと語るザッカーバーグ氏。いわゆる普通のスタートアップ創業者であれば、どこかで短期的に金銭的メリットから会社を手放してしまうのが一般的でしょう。20代前半という年頃で、それだけ重大な決断をし続けてきたんだから、まあ凄い。そして話は、人々が人生の意義を持てる世界をいかに作っていくという方法論に移っていきます。

"Today I want to talk about three ways to create a world where everyone has a sense of purpose: by taking on big meaningful projects together, by redefining equality so everyone has the freedom to pursue purpose, and by building community across the world."
「今日、僕は人々が人生の意義を持てる世界を作るためのとっておきの三つの方法について、お話します。それは、大きな意義があるプロジェクトを一緒にやること、人々が意義あることをやり遂げる自由を持てるための公平さを再定義すること、そして世界に渡ってコミュニティを作ること、の三つです。」

"First, let's take on big meaningful projects. "Every generation has its defining works. More than 300,000 people worked to put a man on the moon – including that janitor. Millions of volunteers immunized children around the world against polio. Millions of more people built the Hoover dam and other great projects. These projects didn't just provide purpose for the people doing those jobs, they gave our whole country a sense of pride that we could do great things. Now it's our turn to do great things. I know, you're probably thinking: I don't know how to build a dam, or get a million people involved in anything. But let me tell you a secret: no one does when they begin. Ideas don't come out fully formed. They only become clear as you work on them. You just have to get started. If I had to understand everything about connecting people before I began, I never would have started Facebook."
「まず最初に、大きな意義あるプロジェクトについて。全ての世代には代表的な意義ある仕事が存在します。清掃員を含めた30万人以上の人々が月面着陸プロジェクトのために働きました。何百万人ものボランティアが世界中の子供達のポリオの発症を防ぐために働きました。何百万人もの人々がフーバーダム建設プロジェクトに携わりました、それ以外にも意義ある大きなプロジェクトはたくさんあります。これらのプロジェクトは単純に仕事を供給しただけでなく、国全体に自分たちは凄いことを成し遂げられるという一種のプライドを与えました。そして今度は、僕らが何か大きなことを成し遂げる番だ。君たちが、『俺、ダムの作り方もわからないし、ましてや何百万人もの人々を巻き込み方はなおさらわからない。』と考えているのもわかるよ。でも、一つ秘密を教えてあげよう。『誰も始める時にはわからない』、これが答えだ。何か考えというのは、完全な形で最初から出来上がっているものではないんだ。その考えは、やっているうちに明確になってくるもので、君たちはとにかくまず始めなければならない。僕自身の場合、もしFacebookを始める前に、人々を繋げるということの全てをわかっている必要があったとしたならば、僕はFacebookを始めてすらいなかっただろう。」

この考え方にはめっちゃ共感、最初から全てわかっている必要はなく、とにかくすぐに行動に移すことが現代社会では重要だと思います。100年前とその考えは違うと思うし、このやり方が未来永劫続くとも思わないけど、少なくとも現代はそう。アメリカのチャレンジに寛容な文化が、Facebookなどの新興企業の手助けになっている部分も大きい気がしますね。

"In our society, we often don't do big things because we're so afraid of making mistakes that we ignore all the things wrong today if we do nothing. The reality is, anything we do will have issues in the future. But that can't keep us from starting.
So what are we waiting for? It's time for our generation-defining public works. How about stopping climate change before we destroy the planet and getting millions of people involved manufacturing and installing solar panels? How about curing all diseases and asking volunteers to track their health data and share their genomes? Today we spend 50x more treating people who are sick than we spend finding cures so people don’t get sick in the first place. That makes no sense. We can fix this. How about modernizing democracy so everyone can vote online, and personalizing education so everyone can learn? "
「僕らが生きるこの社会で、僕らはあまり大きなことをしようとしない。それは僕らがミスを恐れているからで、もし何もしなければ、今日間違っているすべてのことを僕らは無視しているということになる。しかし真実は、自分たちがすること全て、いずれは問題を抱えるということである。しかしその真実が、僕らの行動の妨げをしているわけではない。(自分たちでブレーキを勝手にかけているだけである。)だとすると、僕らは何を待っているんだろう?今こそ、世代を代表する事業に取り組むべきときではないだろうか。温暖化で地球を破壊してしまう前に、太陽光パネルを設置して、問題を解決するのはどうだろうか?ボランティアを募り、健康状態や遺伝子情報を把握し、全ての病気を治すのはどうだろうか?今日、そもそも病気にならないように使うべきはずのお金よりも、病気になった後の治療のためのお金に、何と50倍も多く使われている。これは全く意味が無いことで、僕らはこの問題を解決できるはずなんだ。もしくは選挙制度をもっと近代化して、誰でもオンラインで投票するようにしたり、誰でも学べるように教育を個人レベルで提供してみてはどうだろうか?」

100年前と比較すると、物理面などのハードは非常に充実してきましたが、これからはより教育や医療などのソフトが重要になってきていると言えるでしょう。地球温暖化については、テスラのCEOイーロン・マスク氏の言動とも被りますね。

"The second is redefining equality to give everyone the freedom they need to pursue purpose. Many of our parents had stable jobs throughout their careers. Now we're all entrepreneurial, whether we're starting projects or finding or role. And that's great. Our culture of entrepreneurship is how we create so much progress.""But today, we have a level of wealth inequality that hurts everyone. When you don't have the freedom to take your idea and turn it into a historic enterprise, we all lose. Right now our society is way over-indexed on rewarding success and we don't do nearly enough to make it easy for everyone to take lots of shots. Let's face it. There is something wrong with our system when I can leave here and make billions of dollars in 10 years while millions of students can't afford to pay off their loans, let alone start a business.""Let's give everyone the freedom to pursue their purpose -- not only because it's the right thing to do, but because when more people can turn their dreams into something great, we're all better for it."
「二つ目は、人々が意義あることをやり遂げる自由を持てるための公平さを再定義すること。僕らの両親の多くはキャリアを通じて終始、安定した仕事を持っていたね。僕らの仕事はどうかというと、プロジェクトを立ち上げる、見つける、その中で役割を果たすなど、みんな働き方は起業家的だ。それは素晴らしいことだと思う。僕らの起業家的な労働文化が、これだけ社会を進歩させたと言えるだろう。」「ただ、僕らは今、金銭的格差という問題に直面している。君が自分のアイデアを行使できる自由がなく、歴史的な大企業にそのアイデアを明け渡さないといけないとしたら、僕らの戦いはそこで終わりだ。今、社会は(経済的に)価値ある成功という部分に重きが置かれすぎていて、誰もがたくさんトライできる状況には程遠い。今こそ現実と向き合おう。今ここで僕がFacebookを手放したとして、10年に渡り、何十億ドルもの大金を得る一方で、何百万もの学生がローンを相殺できないということは、僕らが生きる社会のシステムのどこかがおかしいと言わざるをえない。個人がビジネスをできるようにしよう。」「全ての人々に、人生の意義を全うできるための自由を与えよう。それは単にそうすることが正しいからというだけでなく、より多くの人々が素晴らしい夢を成し遂げる時代になったほうが、それは社会全体にとって良いことだから。」

ここで言う自由とは、学べる自由であり、挑戦できる自由であり、金銭的な束縛からの開放ということで、機会平等を追求した社会のほうが、結果としてより良い世の中になると結論づけています。これは議論が分かれるところで、世の中多くの人が機会平等が良いと口にしつつも、では自分が稼いだ財産を自分の息子や家族に分配せずに、どれだけ社会に還元できるかというと、中々難しいところがありそうです。機会平等は、今、既に利益を享受している人にとっては損失の部分が大きくなるため、わざわざ自分たちに損が生まれるルールや仕組みを作れるのか、ここがミレニアル世代のジレンマになると思います。

"The third way we can create a sense of purpose for everyone is by building community. And when our generation says "everyone", we mean everyone in the world.""We all get meaning from our communities. Whether our communities are houses or sports teams, churches or a cappella groups, they give us that sense we are part of something bigger, that we are not alone; they give us the strength to expand our horizons.""Change starts local. Even global changes start small -- with people like us."
「三つ目の方法は、コミュニティを築き上げることでみんなの人生の意義を生み出すというものだ。僕らミレニアル世代が『みんな』という場合、それは世界の全ての人々ということになるね。」「僕らはみんな自分たちが所属するコミュニティから、何かしらの意味を見出す。それが家だろうが、スポーツチームだろうが、教会だろうが、音楽グループだろうが、コミュニティは何か自分より大きなものへの帰属意識を与え、僕らは一人じゃないという感覚を与えてくれる。そして、僕らの視野を広げるための強さを与えてくれるんだ。」「変化は小さなところから始まる。世界的な変化でさえ、僕らのような小さな人々のコミュニティから始まるんだ。」

Think Big, Do Localの言葉に代表されるように、変化は小さなところから始まります。日本では神は細部に宿る、とも言われていますが、何事も小さなところが重要で、それの積み重ねなんですね。小さなコミュニティからでも世界を変えられる、Facebookがそうであったように、というザッカーバーグ氏の言葉は、卒業生でなくても、心動かされる人は多いでしょう。

"Class of 2017, you are graduating into a world that needs purpose. It's up to you to create it.""I hope you find the courage to make your life a blessing. Congratulations, Class of '17! Good luck out there."
「2017年卒業のみんな、君たちは人生の意義が必要な世界へと卒業していく。その世界を作るかどうかは、君たち次第だ。」「このスピーチの中から、君たちの人生を幸福にできる勇気を見つけてくれたことを心から願っているよ。卒業おめでとう、幸運を祈る!」

ささっと書こうと思っていたら、4時間もかかりました笑。
ただ、それでもこの素晴らしいスピーチへの理解も深まったし、勉強になることも多々あったので、良しとしましょう笑。
不安定な世界になる中で、人生の意義を見つけて行動していくことはそう簡単では無いですが、みなさんもザッカーバーグ氏の考えを参考にしながら、行動してみると良いかもしれません。

S(`・ω・´)


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